恋の魔法に



階段を上りきると志帆が立ち止まった。


「それ、結城くんに伝えな」


廊下はよく響く。
教室にいるみんなの笑い声がここまで届いてくる。


「やればできる子でしょ! 莉子は」


ニコッと志帆が柔らかく笑った。


「うん。結城くんに言う……」

「よし! じゃあ教室に入ろっか」


2人分の笑い声が廊下によく響いた。


今からドキドキしてどうするんだ私。


結城くんにちゃんと言えるよね?

聞いてくれるよね……?



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