恋の魔法に

「えぇっ? ため息なんてついてないよ」


教科書で顔を隠す莉子。

……教科書、さかさまだよ?



「あのね……結城くんに今日の放課後、図書室で待ってるってメールしたよ」



目を潤ませて教科書に視線を落とす莉子。

小動物のようで可愛いんだけど、莉子さん。



「なんか、告白するみたいだね」


「こっ!? 告白じゃないよ!」


「知ってるよ」



時計を見ると休み時間はあと5分。

教室の中はストーブがついていてぽかぽかしてる。



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