恋の魔法に
「あははっ、すみません。じゃあまた明日部活で! 先に帰らないでくださいよ?」
私の手のひらに単語帳をのっけると結城くんは階段を上っていった。
冬休み中は一緒には帰らなかったけど、あの図書室で話をした日以来また一緒に帰るようになったのだ。
……って! そんなことはどうでもいいとして!
さっきのは何だったの!?
「なぁにイチャついてんのよ」
すぐ耳元で聞こえた声に驚いて持っていた単語帳が手から落ちてしまった。