恋の魔法に
「おーい、莉子? 莉子さーん。サーブ練習しますよー」
ぽんっと肩を叩かれハッと引き返される。
へ……いや、あのちょっと待って。
自分の世界には入ってなかったよ?
ちゃんと試合見てたよ!?
……って、あれ?
「試合は!?」
「さっき終わったよ」
えぇーーっ!
ラケットを持ってコートの中へと入っていった志帆を追いかける。
「どっちが勝ったの?」
「2年」
そっか……2年が勝ったんだ。
さすが、先輩ですね〜。
まだ興奮が収まらない私はどうすればいいのでしょうか。
きっと、今日の帰りの話題はこの試合のことだな。