恋の魔法に


「……結城くんに偶然会ってちょっとだけお話しました」


「それだけ?」




なぜか、抱きしめられちゃいました。



腕の細さとか強さとかまだ覚えてる。



私、ちゃんと呼吸してたかな?
あの時はほんと心臓止まるかと思った。




「莉子やばいよ。すごい真っ赤」



ふふっと笑う志帆はどこか楽しそうで。


顔を見られたくなくて私は机に突っ伏した。



この鼓動の速さは普通じゃない。


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