恋の魔法に



「……莉子さぁ、もう好きなんじゃないの? 顔のキレイな子のこと」




好 き


なぜかこの言葉に体が熱くなる。


ドキドキと胸を打つ回数がどんどん増えていく。



結城くんのこと……好き?



言葉につまってる私に志帆は柔らかく微笑んだ。



「早く自分の気持ちに気づきなよ」



ちょうどチャイムが鳴って前に体の向きを戻した志帆。


その背中をじっと見つめる。


自分の気持ちか……


自分のことなのに分からない。



私は結城くんのこと好きなの?



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