恋の魔法に
そんな2人から視線をそらして、自分の下駄箱からローファーを出した。
チョコ……渡せる気しないよ。
「なんで逃げるの?」
後ろで聞こえた志帆の声に動きが止まる。
ローファーに視線を落とした。
「結城くんの隣を歩くのが他の子になってもいいの?」
「…………」
「莉子がいつまでもそんな曖昧な態度してた何も進まないよ。彼女できちゃうよ?」
そんなの……っ!
「嫌だよ……」
後ろを振り返ると優しく微笑んでいる志帆がいた。
好 き なの?
自分に問いかけてる暇なんてあったら
この想いを今すぐ伝えなきゃ。
好きだよ。
「ほら早く行きな」