恋の魔法に


「ありがとっ! じゃあまた部活で」



小さく手を振って私は7組の方へと走っていった。


結城くんまだいるかな……?



ドアを静かに開ける。


覗いてみると教室の中はガランとしていて誰もいなかった。


もう部活行っちゃったか……



さっきのあの女の子の告白結城くんはなんて返事したんだろう。
OKしちゃったかな。


もう一緒に帰れない?
もうあの笑顔を見ることはできないの?


他の子と仲良さそうに並んで歩くところなんて見たくない。



嫌だよ、そんなの。



教室のドアにコツンとおでこをくっつけそのままずるずるとしゃがみこんだ。



あぁ、もう手遅れかな。


好きって、伝えるのが遅すぎた。
自分のバカ。




< 214 / 255 >

この作品をシェア

pagetop