恋の魔法に
「あの……ね、結城くんに渡したいものがあるの」
結城くんから離れて床に置いてあった鞄の中を開けた。
取りだしたのは小さな箱。
両手で持って結城くんの前におずおずと差し出す。
はっきり言って味に自信はない。
でも精一杯の想いを込めて作った。
「うわ、やばい。すげー嬉しいです」
満面な笑みを見せて受けってくれたことに私は泣きそうになった。
結城くん顔赤いけど、私はそれに負けないぐらい真っ赤だと思う。
「これからよろしくお願いします」
深く頭を下げる結城くんに私も慌ててペコッと頭を下げる。
「こっ、こちらこそお願いしますっ」