恋の魔法に



「ねえ、あのさ。なんでしばらく一緒に帰れないってメールしたの?」



体育館は歩いてすぐそこ。


でも私たちは亀並みのスピードでのっそりと歩いていた。


気のせいかもしれないけど、結城くん身長伸びた気がするなぁ……



「あぁ、あれですか。
んー……押してダメなら引いてみる、っていうじゃないですか」


「へ?」


「先輩俺と一緒に帰れなくて寂しかったですか?」




口角をあげてニッと笑う結城くん。


いつもの可愛らしい笑みじゃなくてもドキッとしてしまう私って……



< 220 / 255 >

この作品をシェア

pagetop