恋の魔法に
「ねえ、あのさ。なんでしばらく一緒に帰れないってメールしたの?」
体育館は歩いてすぐそこ。
でも私たちは亀並みのスピードでのっそりと歩いていた。
気のせいかもしれないけど、結城くん身長伸びた気がするなぁ……
「あぁ、あれですか。
んー……押してダメなら引いてみる、っていうじゃないですか」
「へ?」
「先輩俺と一緒に帰れなくて寂しかったですか?」
口角をあげてニッと笑う結城くん。
いつもの可愛らしい笑みじゃなくてもドキッとしてしまう私って……