恋の魔法に
歩幅を縮めて隣を歩いてくれる結城くんの横顔を見つめた。
告白したあのバレンタインの日から2ヶ月ちょっと。
ケンカもまだしてないし、つきあう前とあまり変わらない感じの私たち。
私は三年生に結城くんは二年生になりました。
そして、
受験生になってしまいました。
「先輩、足大丈夫なんですか?何回も滑って転んでたけど」
「えーっ、見てたの?うわ、恥ずかしい」
今日の体育館の床は異常なほどに滑りやすかった。
何回モップをかけても滑る滑る……
イライラしては靴の裏を自分の手で拭いたりしていた。
「もうすぐ大会かぁー……」
引退という言葉がもう目の前にある。