恋の魔法に

小さなこの駅はあまり利用者がいない。

ホームに見えるのは制服を着た高校生たちだけ。

結城くんは話し上手で、聞き上手でもある。

駅に着くまで話は途切れることはなかった。


「一番前の車両行かない?」


私の提案でいつもと違うところに立ち電車が来るのを待った。


電車早く来ないかなぁー。


「先輩の試合見てましたよ。先輩のフォームかっこいい!」


いきなりなにを言い出すんだ、この子は。


「へっ!? そんなん言われたことないよ。お世辞はいいですよ〜」


苦笑いで返す。


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