恋の魔法に
電車がホームに入ってくるとスカートがふわっと舞い、おろしている髪の毛が風で乱れる。
手ぐしで髪を整えながら結城くんにつづいて乗った。
休日だからなのか電車の中は人がいっぱい。
「人多いっすね。座れませんね」
そう小さな声でつぶやく結城くんに「そうだね」と返した。
電車がいきなり動き出して大きな揺れに耐えられず、隣に立つ結城くんの腕を掴んでしまった。
うわ、バカ私!
なんで手すりじゃなくて結城くんの腕つかんじゃったのー!