恋の魔法に


電車がホームに入ってくるとスカートがふわっと舞い、おろしている髪の毛が風で乱れる。


手ぐしで髪を整えながら結城くんにつづいて乗った。


休日だからなのか電車の中は人がいっぱい。


「人多いっすね。座れませんね」


そう小さな声でつぶやく結城くんに「そうだね」と返した。


電車がいきなり動き出して大きな揺れに耐えられず、隣に立つ結城くんの腕を掴んでしまった。


うわ、バカ私!

なんで手すりじゃなくて結城くんの腕つかんじゃったのー!


< 54 / 255 >

この作品をシェア

pagetop