恋の魔法に
「結城くん、ちゃんと一人で帰れる?」
外はもう真っ暗。
冬の夜は寒い。
「大丈夫ですって。一個しか違わないのに俺のこと子供扱いしすぎですよ」
「ふふっ、ごめんね?」
結城くんはチラッとバスの方を見た。
後数分で発車する。
バス停でお別れだ。
「先輩も気をつけてくださいね」
「ん、ありがと。結城くんもね」
バスの運転手さんが私たちをガン見していた。
乗るなら早く乗れよ、と言いたそうな目だ。
「寒いからもうバスに乗りな?」
私はマフラーも手袋もしてるけど結城くんはなにもしてない。
寒いだろうなぁ。