恋の魔法に
"後輩くん"
「おはよ〜」
静かに部室のドアを開ける。
いつもの光景がそこにはあった。
ただ、いつもと違っていたこと……
「さっむい! ねえ、すっごい寒いんだけど! なんで窓開けてるの?」
マフラーを外そうとした手を止めた。
ここの部屋寒すぎる!
外じゃないのに白い息出てるもん。
「あ、虫退治してたの」
窓を閉めながら志帆は言う。
虫退治……? なんだそれ。
「変な虫が天井にいたのっ。もう大変だったんだよー!?」
「志帆かっこよすぎ。素手でいくなんて」
志帆はドヤ顔で私を見てきた。
なんだ、その顔は。