【短編】彼氏は女子恐怖症
和真から受け取った可愛くラッピングされてる小包を丁寧に開け中身を取り出した。


「指輪だ・・・。」

「あのさ・・・その・・・プレゼント。」

「どうして?」


ギュッと指輪を握り締めながら和真に問いかけた。


「昨日は・・・記念日だった・・・からさ」


そう言って、ほんの少し笑顔を向ける和真は決して近い距離ではなかったけど今とても近くに感じたんだ。覚えててくれたんだ和真。


「和真・・・ありがとう。」


小さく微笑むと和真も少しだけ笑ってくれた気がした。


「俺・・・女とか苦手だけど・・・その真央は嫌いじゃないから!・・・昨日は本当にごめん。」


必死に謝る和真はとても可愛くて思わず抱きしめたくなった。
だけど、あたしは我慢したんだ。


「あたしも和真が大好き・・・!」

「いつか手を繋いだりキスとか出来たら良いな・・・!」

「うっ、うん・・・。」



もし女子恐怖症が治らなくても和真は、あたしの自慢の彼氏だからね。


「じゃあ和真、教室に戻ろっか!」

「あっ、うん・・・!」


その声と共にイキナリ掴まれた手に驚いた。


「あれ・・・和真、手・・・!」


視線を手に移すと和真もあたしと同じ様に驚いていた。


「少しは・・・恐怖症治ったみたい。」


なんて今まで見た事のない笑顔で言われたから心臓はドキドキ。
キスは、まだまだ先だけど今はこれぐらいで良いよね?
やっと手が繋げる様になったから今度は手を繋いで帰ろうね。

和真の女子恐怖症が治る日までキスは、おあずけだね。


end
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