【短編】彼氏は女子恐怖症
「・・・真央。麦茶で良い・・・?」


コップを二つとペットボトルのお茶を手にして和真は戻ってきた。


「うん!何でも良いからね!」

「じゃあ、はい。」

「ありがとう!」


差し出された麦茶をゴクリと一口、飲んだ。


「あ・・・その、指輪・・・。」


和真が少し照れくさそうに、あたしの指を見て指差した。


「和真から貰った指輪だよ!」


和真から指輪を貰って以来、あたしは毎日と言っても過言ではないほど指輪をはめている。
和真から初めて貰ったプレゼントだからだ。


「気に入ってくれてるみたいで良かった・・・。」


和真がくれる物は全て、お気に入りだよ。


「そういえば・・・真央が俺の家に来るの・・・初めて・・・だよね。何かあったの?」


そうだよ。もちろん初めてに決まってる。


「ただ和真と一緒に居たかっただけだよ!」


これは嘘ではないけど、本当の理由は違う。
本当の理由は和真とキスをするためだ。
今日は和真とキスをするぞ作戦を実行する日なんだから!
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