-TABOO-忘れられるはずがない
鼓動が激しく強くなる。
声がでない。
振り向くこともできない。
鏡に映るカレから眼を反らせない。
カレは私をじっと見つめる。
どれくらいそうしていたか……
カレがずるい笑みを浮かべた。
私は凍りつく。
でもそれは――
カレが怖かったからじゃない。
『どうなってしまうのか』
それが分かって怖かったから……
カレに初めて抱かれたあの夜の様に――
ただあの夜とは違う。
今、私には彼がいる。
『どうなってしまうのか』
それは紛れもない――TABOO――