私の恋愛マニュアル
「何々~?さっきからため息ばかりついてー!もしかして天下の柊ちゃんスランプ~?」
私の心のモヤモヤとは裏腹に明るい声で話し掛けてきたのは演出家の金田雄大
私より3つ年上の34歳
「雄大さん…テンション高いですよ。いつものことだけど。」
「そんな呆れた~みたいな顔して見ないでよ~!俺ショック受けちゃうな~?」
「ショックでも隕石でもなんでもいいから受けといてくださいよ。」
「うっわ!最近もっと冷たくなった?柊ちゃん、今夜飲みにでも誘おうかと思ってたところだったのに。」
「それは残念。台本の修正がありますので、失礼します。」
第一、私が前より冷めた女になってしまった原因は雄大さんなのに。
彼は何もなかったように接してくる。
それがもっと嫌になる。
二年前のことだ。