私の恋愛マニュアル
それが私にとっては厄介で、はっきり言えば迷惑だ。
「あ、すみません。京香さんの邪魔またしちゃった俺」
可愛く言っても無駄である。
「そうね、分かってるならもっと静かに歩いてね。」
「すみません、洗濯物取りに来たら目当ての服がなくて、あれー?って思って部屋に戻ったらあって、そしたら携帯を洗濯機の上に置いたの思い出して、それで、その後……」
その話を聞いていたら日が暮れてしまいそうな勢いである。
「分かった!はいはい。なんでうるさかったのかは、分かったから。もういいから」
「何か……俺、京香さんに迷惑かけるの分かってたけど、明らかに京香さんに嫌われてるんだなー、って思ったらちょっと凹んだっす。」
……そう眉を下げて言う翔太くんは、本物の犬のようだった。
「でも大丈夫です。まだ1週間しかし経ってないし、京香さんに迷惑かけないように頑張りますから。」
そう吐き捨てて翔太くんは自分の部屋に戻ってしまった。