キミと、ピエロ的恋愛遊戯。
偽彼女。
それが、彼にとっての私の立ち位置になった。
ただ偶然、中庭を横切って、偶然告白現場を目撃しただけ。
そしたら、
偽彼女に大決定。
彼は、事あるごとに私のところにやってきた。
ついこの前も、後ろから
「奏良。」
って声をかけられて。
無意識に振り向いたら、
千春がいた。
「ちょっと来て。」
だって。
あぁ、またか。
思わず溜め息がこぼれた。
何がまたかって言うと。
二人で向かった先には、いつものように見知らぬ女の子。
彼女に対して彼が放った言葉。
「悪いけど、俺彼女いるから。」
それはもちろん、お断りの言葉で、その言葉をホントにするために、私がいる。
全く、とんだ大迷惑だ。
偶然中庭を横切って、偶然告白現場を目撃しただけで、こんな立ち位置にされるなんて。
最初はそう思ってた。