キミと、ピエロ的恋愛遊戯。
そういえば、俺は奏良の誕生日
知らないな。



約束したデートの日を前に
ふとそんなことを考えた。

それから自分の
誕生日のことも。






“誕生日おめでとう”







たった一言。


ありふれた礼儀的な言葉。




なのに、


頭の中で何度も繰り返す。





自分を祝う彼女の姿が
何故だか
目に焼き付いている。





ベッドの上で寝転びながら、
明日を待つ。





少しの不安を抱えて待った。
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