キミと、ピエロ的恋愛遊戯。
結局プレゼントも何も決まらないまま、
仕方がないからカフェを出ることにした。



ドアを出たところで
前から声をかけられた。





「兄貴」


まさか、こんなところで遭遇するとは。

ツイてない。



「もしかして、千春の兄弟の人?」

横で首を傾げながら
奏良が尋ねてきた。




「あーー、そう。俺の弟の千秋。」



紹介された弟は、
初めましてなんて言って
奏良と挨拶を交わしてる。


俺はその場で愛想もなく立っていた。




早くどっか行けよ!


目で弟に突っ掛かる。

それをあいつも察したのか、
踵を返した。




「なんかお邪魔みたいだからどっか行くよ。



ホント兄貴は暇人で羨ましいよ。」



女とデートする暇はあっても、
親に媚びへつらう暇はないんだろ?




目がそう言ってるのがわかった。





俺は苛立ちを何とか抑えて
奏良の腕を掴んだ。



「行くぞ。」






ホント最悪だ。
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