キミと、ピエロ的恋愛遊戯。
嘘吐きヒーロー。
ミーティングの最中、
彼女はずっとご機嫌ななめだった。


そんなに選手になるのが嫌なのか。



横にいた佑希が、俺の肩をトントンと叩いて目で合図を送ってきた。


「何だよ?」

「次のいたずらの相手。」

悪友がそう小さい声で話して、ターゲットを指差す。


予想通り。



佑希が狙った犠牲者は、真面目ちゃんで優等生の三神奏良。




俺達の視線に気付いたのか、彼女は俯いていた顔を上げて、こっちを向いた。


「何?どーかした?」


その声は、さっきの叫び声と違って、静かに響いた。
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