お前俺にどんな魔法をかけたんだ?~snow magic~
「……ねえ。」
ふいに後ろから何かに引かれ身体がよろける。
「……ねえ!」
……なんだよ?
後ろを振り向くとそこには声の主であろう小柄な女がたっていた。
ブルブルと震え唇をきつく噛み締める歯もガクガク…………
そんな寒いなら、スカートなんてはかなくてもいいのに。
「……何か?」
俺の問いを聞くと待ってましたと言わんばかりに
鋭い風に切られたように真っ赤になった頬を膨らませ、
「………………付き合って!」
いたずらっ子のような、でも真っ直ぐな瞳で
俺を見つめて、そう言った。