バッドエンドにさよならを
「ユウくん、学校は?」
「サボって来ました。」
「あら、ダメじゃない。これから行くの?」
「いや、帰ります。めんどいし。」
「もう。今のうちに青春楽しんでおきなさいよ。」
「サボりも青春なんで。」
おばさんに背中を叩かれて、俺は病院をあとにした。
とりあえず今週はサワは学校には来ないのか。
でも、母親のところに行っているのだとしたらサワは平気なのだろうか。
自分のことを忘れ去り、自分の顔を見るだけでパニックを起こす母親の姿を見て、傷つかないのだろうか。傷つかないわけがない。
サワは一番大切な人に忘れられ、恐れられているのだ。平気なわけがない。