バッドエンドにさよならを

「…ごめんな。」

「へ、」

突然、伯父さんが謝ってきたからビビった。心からの謝罪だと言うことが分かったから殊更ビビった。

「お前は何も悪くない。それなのに、お前にひどいこと言ってごめん。悪いのは全部お前の父さんであって、お前には何の罪もないのに。」

なんだ急に。変なものでも食べたのだろうか。あれだけ俺のことを忌み嫌っていた伯父が、俺に頭を下げてくるだなんて想像もできなかった。

「…なんなの?」

「ふとな、本当に急に、そう思ったんだ。お前の父さんが死んで、母さんが自殺して、何年も経って、やっと冷静になれたんだよ俺。お前は引きこもるし、喧嘩ばかりするし、問題児で手がつけられなくて正直困った。けど冷静に考えたら、小さいときに両親を亡くして、どれだけ重いものを背負ってきたんだろうって。誰も頼れずに、どれだけつらい思いをしてきたんだろうと思って。」

伯父さんは頭を下げたままだ。

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