バッドエンドにさよならを

「ユウはなんも悪くないんよ。だから謝らんとって。悪いのは全部僕なんよ。」

「へ?」

サワこそ何も悪くないだろう。父さんの不倫相手がサワの母親だったからと言って、サワを恨みの対象とするかと言えばそうではない。だからといって、見ず知らずのサワの母親を恨むかといえば、それも違う。実際知らない人間だから父さんの愛人と言われても実感がわかない。

「サワは何も悪くないやろ。サワの母さんも悪くない。うちの父さんが全部悪い。」

母さんや俺がいるのに、よその家庭にまで手を出していた父さん。元凶は父さんにある。

「違う。今岡さんは悪くない。優しかった。母さんにも僕にも優しくしてくれた。今岡さんはうちの母さんと不倫なんてしてなかったんだよ。」

「…え?」

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