バッドエンドにさよならを
不倫してなかった…?
「…うちの母さん、17のときに僕を産んで、男に捨てられて、それでも僕を養おうと必死になって、水商売始めて。そこのお客さんで来たんが今岡さんやった。別に今岡さん、いやらしい気持ちでその店来たんやないと思うよ?たぶん会社のお付き合いかなんかで。」
父さんの記憶なんて暴力しかないからわからない。
「それで、うちの母さんに同情した今岡さんは、少しお金の援助をしてくれてたんだ。今岡さんはただの人助けと思ってやってくれてたんだと思う。だけど母さんは違った。少しずつ、今岡さんに惹かれていった。恋をしてたんだよ、母さんは。」
サワは泣きそうだった。
「今岡さんは悪くないんよ。だからあまり嫌いにならんであげて。」
「なんでそんな顔してんだよ。なんでお前が苦しそうなの。」