バッドエンドにさよならを
サワの顔から一瞬笑みが消えたがまたいつもの表情に戻った。
「あの人も困っとったけん助けただけ。」
「お前あんな無茶ばかりしてたらそのうち死ぬぞ。」
「誰かのために死ねたら本望やん。」
ゾッとした。こいつはきっと、自分の命を投げ打ってでも他人のために動く。
こんな人間に会ったことがないし、こんな人間絶対いないと思っていたから恐怖を覚えた。
「ユウ、できたん?」
「あ、いや、全然。」
「はよせんとー。」
彼は笑顔の裏に一体何を抱えているのだろうか。