バッドエンドにさよならを

退屈な一日だった。家にいるよりも退屈だった。

よくわからない虚しさが押し寄せる。

中井や二宮、クラスメートもたくさんいて、話して楽しかったはずなのに、どこかつまらなかった。ひとりの家よりは遥かにやることもあって、人もいて、退屈を感じないはずなのに退屈だった。

俺は一体学校に何を求めていたんだ。

「サワ明日は多分来るんやない?」

二宮のその言葉にドキリとした。

「今岡くん、サワと会うん久しぶりになるん?」

「あ…うん。」

「サワも今岡くんの顔見たら安心するやろなー。」

サワか。この退屈さの原因はサワなのか。俺はサワをあれだけ忌み嫌っていたはずなのに、心のどこかで期待していたのか。学校に来ればサワに会えると。

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