バッドエンドにさよならを
「学費も生活費も十分振り込んでるっておばさん言ってた。なあ、サワ、お前なんのためにバイトしてんの?もしかしてバイトしてない?」
サワは気まずそうに笑った。
「バイトはほら…小遣い稼ぎ?いくら生活費もらってるとは言えさ、自由に使うお金ないやんか。」
違和感。サワは何か隠している。全く目を合わそうとしない。
「学校休んでまで小遣い稼ぎか?」
「それは…人が足らんからね。…来週からは行くよ。」
嘘だ。
「サワ。ほんとのこと言わないと俺泣くぞ。」
「なんで泣くんだよ。」
サワは俺が怒ってもへらっとするだけだ。泣いた方が困るだろう。
「サワ。俺には嘘つかないでくれ。頼む。」
サワは俺の目を見ると、眉間にしわを寄せ、顔を歪めた。