バッドエンドにさよならを
18、バイバイ
それから後のことを俺ははっきりと覚えていない。
目の前で動かなくなったサワを見て頭が真っ白になった。
騒ぎを聞いたアパートの住人が出てきて、救急車を呼んだらしい。
今俺は、サワと一緒に救急車に乗って病院に来ている。
運ばれるサワを見送り、待合室の椅子に座っていた。
「あ…おばさんに電話しなきゃ。」
ケータイを手に取り、力の入らない指でタッチパネルを操作した。
『…もしもし。』
おばさんの眠そうな声。
「もしもし。」
『あ、ユウ君?連絡来ないから心配してたのよ。サワいた?』
「サワ…階段から落ちて今病院に…」
『…え?』
「どうしよう。サワ死んじゃうかも。おばさん、どうしよう。」
『落ち着いて。どうしたの?サワ事故にあったの?今病院なの?どこの病院?』