バッドエンドにさよならを
医者が出てきた。
「井上サワくんのご家族ですか?」
「いや、友達です。」
「そうですか…ご家族にお話しなければならないことがあるのですが。」
「サワどうかしたんですか!?」
「いやそれが…」
言葉を濁す医者。
まさか。そんな。俺はサワが運ばれた部屋に向かって走った。
「あ、ちょっと君!」
「今岡!」
医者や鹿島の声が後ろから聞こえるがそんなの知らない。
ドアを開けると看護師が驚いた顔でこちらを見る。
「サワ!おい!サワ!」
ベッドに横たわり、目を閉じたままのサワ。
揺すっても名前を呼んでも反応が返ってくることはなかった。