バッドエンドにさよならを
19、もういいよ
「サワ!サワ!起きてよ!なあ!一緒に帰るんやろうが!なあ!」
「今岡!」
サワを揺する手を鹿島に止められる。
「今岡、落ち着けよ。」
「…うー。」
医者は真剣な顔をしてこちらを見てきた。
「…ご家族と一緒に聞いてもらおうと思ったんだが、先に君らには話しておこう。」
「え?」
「落ち着いて聞いてもらいたい。」
医者は俺らを外に誘導した。
「井上くんは幸い、頭もぶつけてなくて、腕の骨折と数ヶ所の打撲だけですんだ。命に別状はない。」
「へ?」
サワ、生きてるのか?そういえば、サワの手はあたたかかった。焦りすぎだろ俺。
「なんだ!よかったな今岡!」
「おう。」
「ただ…」
医者の続ける言葉には、何か悪い予感がする。