バッドエンドにさよならを
「…もしもし。」
『もしもし。井上くんの友達の今岡くんかな?』
「はい。」
『今回は大変だったね。』
「…はい。」
『口論を聞いたアパートの住人から通報があって、井上くんの母親は現在署の方に連行されている。自供もしているんだが、目撃者は君しかいなくて、事実確認をしたいんだ。少しお話いいかな?』
「はい。」
『今回、井上皐和くんを階段から突き落としたのは井上紗耶香…皐和くんのお母さんで間違いない?』
「はい。」
『事故ではないよね?』
「間違いないです。母親は階段の上でサワに落ちろと言って、抵抗したサワと揉み合い、突き落としました。」
『その時、君は?』
「俺は部屋のドアの前にいました。サワの母親にここにいろと言われたので。まさかサワを階段から突き落とすとは思いませんでしたし。」
思い出したら怒りがこみ上げてきた。