バッドエンドにさよならを


4月。俺は学年がひとつ上がった。

「サワ、また中井と二宮と同じクラスになったんだ。また賑やかだな。今年一年、いろんな計画立てたぞ。まず春は花見だろ?でもみんな絶対花なんか見ねえよな。食べ物とか遊びに夢中になるのが目に浮かぶし。そいで夏は祭行って、花火やって、海にも行って。かき氷食って頭キーンとなって。肝試しもしたいな。秋は食欲の秋だな。いろんな店回ってさ、食べ歩きしようぜ。体育祭もあるな。サワは足速いから大活躍やろうな。でもあれか、サワは学年がひとつ下だから同じチームになれるかわからねえな。同じだったらいいのに。それから、二宮がさ、学祭で焼きそば焼きたいって張り切ってんだよ。学祭なんてまだまだ先なのに。笑えるだろ?クリスマスは、サワんちでパーティーしようってみんなで話したんだ。これは決定事項だからな。あと、いつかの長期休みに遊園地行こうって中井と二宮に誘われたぞ。新しいアトラクションできたとこあるやん。あれ乗りたいなって。それから中井は山登りたいとか言ってたな。どんだけ向上心あるんだっての。」

サワからは何の反応も帰ってこない。

「俺、今見たい映画あんだよ。アクションの。前サワに付き合ってホラー映画見に行ったよな。今度は俺の見たい映画に付き合ってよ。 あと、新しくできたケーキ屋行きたい。サワいちご好きだろ?美味しいらしいぞ。いっぱい行きたいとこあるんだよ。どの計画にもサワは含まれてんの。サワがいないと成り立たねえんだよ。さっさと起きろよ… 」

サワの手をぎゅっと握った。

< 223 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop