バッドエンドにさよならを
給食の時間。
サワはいつも食べるのが遅い。
みんなが昼休みに入ってもサワはひとりで食べていることがしばしばあった。小学生の頃からだ。
「あっれー。井上くんやーん。まだ食べおるのー?」
野上が2組の教室に入ってきた。
「…何?」
「チビの井上くんにプレゼント持ってきたのにその態度はないやろー。」
「は?」
野上はポケットから牛乳を取り出した。
「これ井上くんにあげるわ。」
野上はそう言って、サワの頭に牛乳をかけた。
「うあっ!」
「これで背伸びるんちゃう?」
笑う野上。
それを見ていた忠志は目を見開き、駆け寄ってきた。
「野上てめえ!」
「忠志!」
サワは忠志を止め、野上の方を見た。
「これで背伸びたら感謝するわ。」
野上はつまらなそうに教室を出た。