バッドエンドにさよならを

朝登校すると上履きに砂が詰められていたり、体操服が隠されているのは日常茶飯事で、もう慣れた。

机やノートに落書きされることもある。マジックで書かれているため消せないのがつらい。

それでも自分が耐えれば誰も傷つかない。だったらこんな仕打ちは全然平気だ。

クラスのみんなはサワに近付かないものの、気にはかけてくれる。授業などでは普通に話すし、挨拶もする。

だから先生も全く気づかなかった。


「いーのーうーえーさーわー!」

ある日の昼休み。突如大声で呼ばれた名前。

サワがビックリして廊下を見ると、そこにいたのは望月だった。

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