バッドエンドにさよならを
「まあお前の優しさでかばったいうことはわかったわ。でもサワ、なんでひとりでおろうとするん。みんな声かけてくれるんやろ?」
「僕と仲良くした子までいじめられるかもわからんやないですか。こんな思いするんは僕だけで十分です。誰にも傷ついてほしくない。」
望月はサワの頭をぐしゃぐしゃ撫でた。
「お前男気あるなあ。…でもな、サワ、」
真っ直ぐ見つめてくる望月。
「お前がそうやって全部ひとりで抱えることで、傷つくやつもおるんよ。」
「え?」
「いじめを止められん無力さとかはがゆさとか感じて、頼ってほしいのに距離おかれて、傍観者でおることしか許されん寂しさとかな。いっぱい感じて傷ついて苦しんどるやつもおるんよ。」
「…。」
「ひとりでおるんは寂しいって言いおったんサワやろ。」
サワは泣きそうになった。