隣の彼の恋愛事情
secret:13 アイツの真実
「やめて!」

そう叫んだ私は、とっさに斗馬の腕にしがみついていた。

「なんで、こんなことになってるんだよ。お前、紅緒に今何をした!」

止める私を振りほどかんとして、必死で体をゆする斗馬。私はその勢いで後ろへと尻もちをついた。

転んだ私をみた斗馬がやっと我に返ったようで、駆け寄って起き上がらせてくれる。

「ごめん」

そう小さくつぶやいた後、すりむいた私の腕をみて切なそうな顔になる。

すると今度は、チィ兄が私を斗馬から遠ざけるように、私の前で壁になる。

「これ以上、お前に紅の彼氏面させられない」

そう怒気をはらんだチィ兄の言葉に

「彼氏面って、どういうことだよ」

するどい声で斗馬が返した。
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