隣の彼の恋愛事情
「わかった、これで忘れる」
そう言って私を急に引き寄せるとぎゅっと抱きしめた。
あったかい小さいころから私を守ってくれた胸。
「これで最後。離れたらちゃんと『チィ兄』に戻るから」
そう言ってもう一度腕に力を込めた。
「ありがとう、これからも私のチィ兄でいてね」
そう私もチィ兄の胸で呟いた。
しばらくそうしていると、後ろから強い力で引っ張られて次の瞬間には斗馬が私を後ろから抱きしめていた。
「もういいだろ」
低い声でチィ兄を睨みながら言う。