隣の彼の恋愛事情
***
「ごめん」
チィ兄が部屋のドアを閉じた瞬間斗馬がいきなりそういって、私をさらに抱きしめた。
私は斗馬の腕を握りしめて、ただ首を横に振る。


「わ、たしこそ逃げてばかりでごめんなさい」

泣きそうになるのを必死で我慢して謝る。

すると斗馬は腕をほどいて私を向かい合う形で再度抱きしめ、私の髪に頭をうずめて来た。


「俺こそお前が我慢してるの分かってたのに、はっきりさせてからのほうがいいと思って、色々動いてたんだけど時間がかかって・・・それに」
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