隣の彼の恋愛事情
「何飲む?」
そう言われながらメニューを渡された。

高いワインやよくわからないカクテルがたくさん並んでいたが、正直どれがどうだかわからない。

「とりあえず、ビールで。」

そう言うと、部屋の入口で控えていたこの店の店長にオーダーした。

店長が去っていったあと、個室では当たり前だけどふたりっきり。

(う~ん。イケメン仕様のアイツになれてないせいか、緊張する。)

そもそも、男に人に対した免疫がないのに(チィ兄以外)、イケメンと二人きり個室にこもるというのは私にはハードルが高い気がする。

「飯は適当にたのんどいたぞ。」

そういうと、頼んでいたビールが運ばれてきたのを受け取ると一つを私に渡した。

「お疲れ。」

そういって私の持っているグラスとあわせて、カチンと音をさせた。
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