隣の彼の恋愛事情
母からの電話の内容は、父がぎっくり腰になってしまったということ。
幸い大したことではないらしいが、もちろん店に出られるわけもなく人手が足りないので土日に手伝いに来てほしいとのことだった。
「彼氏もいないし、いいじゃない。」
(いないって決めつけてるよ。実際いないけど)
このまま一人で家にいても、グチグチと色々考えてしまいそうだったので、母の申し出を快く(母には恩着せがましく)受け、身支度を整えた。
部屋のカギをかけて、エレベーターに乗り込むと、お気に入りのバレエシューズの先が汚れているのに気がついた。
(最近手入れしてないな。)
そんな風に思いながら、足先ばかりを気にしてマンションのエントランスから出ると、聞き覚えのある声が私の名前を呼んだ―――。
幸い大したことではないらしいが、もちろん店に出られるわけもなく人手が足りないので土日に手伝いに来てほしいとのことだった。
「彼氏もいないし、いいじゃない。」
(いないって決めつけてるよ。実際いないけど)
このまま一人で家にいても、グチグチと色々考えてしまいそうだったので、母の申し出を快く(母には恩着せがましく)受け、身支度を整えた。
部屋のカギをかけて、エレベーターに乗り込むと、お気に入りのバレエシューズの先が汚れているのに気がついた。
(最近手入れしてないな。)
そんな風に思いながら、足先ばかりを気にしてマンションのエントランスから出ると、聞き覚えのある声が私の名前を呼んだ―――。