隣の彼の恋愛事情
「神崎。」
振り返るとそこには、今もっとも会いたくない相手がそこには立っていた。
びっくりして、目を思いっきり見開いた。
そんな私をみて、もたれていた壁から体を起こすとこちらに近づいてきた。
「こ、んなところで、何してるんですか?」
あせって噛んでしまう。
「何ってお前待ってたに決まってんだろ。」
当たり前のようにアイツが言った。
何度か送ってもらってるから、家を知ってるのは当たり前だ。
「お前なんで、昨日俺の話も聞かずに帰ったんだよ。」
私から視線をずらし、低い声で話す。
「なんでって聞きたくなかったから。」
まったくもって子供の言い訳のような答えしか出せない自分がいやになる。
「はぁ?」
不機嫌な声が返ってきた。