同じ部署の同僚でありながらも、苦手意識を持っていた紅緒。無口でタイミング悪く仕事を押し付けてくる斗馬。
ただ、仕事だけの関係だと思っていた紅緒だったのだが、ある日、斗馬の隠された秘密を知ってしまう。
そのことにより、下僕とされるのだけど――…
思いやりのある紅緒は、自分でも知らないうちに周りの些細なことにも気づいてしまう。そのことにより、斗馬のことも気づいてしまうのだけど、そんな心優しい紅緒に対して、どんどんと惹かれていく斗馬。そして、初めは反発していた紅緒も斗馬に惹かれていくところは、もどかしくもあり、切なくもあり………
あのままだと、きっと消えてしまうことになった絆。
だけど、斗馬の執念というかしつこさに、二人の気持ちがつながっていく姿はとても読んでいて心地よかったです。
大人のストーリーとして、しっとりと、そしてまったりと読める作品でした。