それでも君が好きだよ
「新井、どうした?」
と観覧席から走ってきた番場くんが
私の後ろから紙を覗き込んできた。
「あっ…えと…その…。」
もしかして、紙に書いてあること見えた!?
とっさに紙を隠したけど番場くんは
私の方をちらっと見て真剣な顔をした。
「新井さ…告られたことある…?」
深緑の瞳が私の心に針を突き刺した。
胸が痛かった。そんな事聞かれるなんて…
思ってもなかった。
「ないよっ!!どうせ私を好きなんて
いってくれる人、いないんだからっ!!」