それでも君が好きだよ
―――パァーンッ!!
というピストルの音がまた響き、
『只今のレース、1位 1-5!借り物は
《貴方に告白してきた人》です!』
という放送がかかる。
皆が私達の方に注目する中、番場くんは
一度たりとも私の方を見なかった。
「あの…番場くん、ごめんなさい。私がこんなんだから気を使ってくれたんだよね。」
私がそう言って番場くんの
背中を見つめていると……
「ごめん…。俺、本当は人が好きとか、どうとかってまだよく分からないんだ…。」
と困った表情をこちらに向けた。