それでも君が好きだよ

―――パァーンッ!!



というピストルの音がまた響き、



『只今のレース、1位 1-5!借り物は
《貴方に告白してきた人》です!』



という放送がかかる。



皆が私達の方に注目する中、番場くんは


一度たりとも私の方を見なかった。




「あの…番場くん、ごめんなさい。私がこんなんだから気を使ってくれたんだよね。」




私がそう言って番場くんの


背中を見つめていると……



「ごめん…。俺、本当は人が好きとか、どうとかってまだよく分からないんだ…。」



と困った表情をこちらに向けた。
< 113 / 272 >

この作品をシェア

pagetop