それでも君が好きだよ
柏原くんはどこか遠くを見つめていた。
その瞳に私の瞳は写らなかった。
でも伝えたい言葉が溢れてきて…
だから…。ねぇ、柏原くん、聞いて…?
「柏原くん、私は絶対に結愛を
嫌ったりしない。何がなんでも…。」
「……………っ!!」
「何をされても親友は親友だから…。」
私の心、読めたかな?
ねぇ…柏原くん。
私はね、結愛が好きなんだ。
だから話し合ってみるよ。
「………そっか。それでこそお前だ。」
柏原くんは小さく笑って私の頭を
ポンッ…と軽く叩いて私に背を向けた。